新潟大学工学部 材料科学プログラム

新潟大学工学部 材料科学プログラム

特色ある科目

専門基礎科目から

「基礎量子力学」 担当:武田 直也教授

 20世紀初頭,力学や電磁気学では説明困難な原子レベルの現象が多数見いだされ,それらを説明するために量子力学が作られました。そこでは,粒子性と波動性という相反する概念が見事な形で統合されました.量子力学は,原子レベルの小さな世界のみならず,原子から構成される物質を理解するために不可欠なものであり,現在の科学・技術も量子力学を基礎としています。
 基礎量子力学では,原子レベルの世界を理解するためのシュレーディンガー方程式と波動関数の扱い方と考え方を学びます。その基礎を習得した後に量子力学応用・演習を経て,金属,半導体,磁性体,超伝導などの固体物性に関する専門科目が用意されています。

専門科目から

「材料評価学」 担当:大木 基史准教授

引張試験における微小変位測定装置 安全・安心な社会の構築,地球環境保全の観点から,産業界における先進機能材料の役割は益々重要となっていますが,そのような先進機能材料の実用化に際しては材料自身の機械的特性を把握することが欠かせません。本講義では,まず前記項目の理解に必要な材料強度学の基本的考え方について講義した後に,各種材料特性評価試験の概要・試験方法・理論および得られる機械的特性の意義について解説します。
 また,同時期に開講される「機能材料工学実験II」において本講義で学んだ各種材料特性評価試験を実施することで,座学と実験の相乗効果による本質的理解を促します(図は引張試験における微小変位測定装置)。


デザイン科目から

フレキシブル型水素ガス検知センサーと水素燃料電池キャリアカー 講座外科目として,2年次に開講の「創造プロジェクト」,3年次開講の「創造研究プロジェクト」として標準課程表に記載があります。
 この科目は,文部科学省の理数学生育成支援事業に採択された「スマート・ドミトリーによる高度工学力を有するトップ・グラジュエイツ育成プログラム」として2012年度から実施されています。この科目は,学部付属の工学力教育センターが統括しています。スマート・ドミトリーのテーマとして開講していることから,学年学科横断型の授業となっています。なお,これまで機能材料工学科のデザイン科目として開講していた特殊選択科目「材料物性評価演習」はこの科目に統合しました。また,テーマのアドバイザー教員として各プログラムのスタッフが担当しています。
 2013年度の教育成果として,第3回「サイエンス・インカレ」に応募し,3件のテーマが採択されました。その中に,本プログラムのスタッフがアドバイザーとなった「EMF水素センサーによる水素空間分布測定システムの開発」の発表もありました。

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